タイトルがとても興味深かったです
「積極的に治さない」ってタイトルが新鮮ですね
この心理療法では
まずセラピストはクライアントと一緒に瞑想を行います
その後、クライアントは箱庭を作り
傍らでセラピストはまた瞑想を行う
なお、瞑想と言っても本格的なものではなく
普通に呼吸をしながら
限りなくぼんやりした状態になれたら良い
というゆるいものです
ただ、セラピスト側は瞑想中にクライアントに関連したイメージや
ヴィジョンがふと浮かんでくることもあり
後でクライアントとの対話でシンクロニシティのように
それらのイメージが合致することもあるのだそうです
箱庭も毎回、淡々とクライアントが作ってタイトルを付けますが
それに対してもセラピストは深く掘り下げたりしないようです
セラピー中の会話もセラピストは半ば瞑想状態で聴くようにしているとの事
本当に「積極的に治さない」という姿勢が面白いです
それでもクライアントがこのセラピーを受けているうちに
症状や悩みが軽くなって治ってゆくプロセスが
いくつもの事例として紹介されていて不思議です
そもそも著者は僧侶だそうで
積極的にクライアントの悩みには介入せず
仏教的な「自ずからなる」=自然(じねん)を
スタンスにしているようです
そしてセラピストとクライアントのいる「場」を
大切にしているのですね
二人がぼんやり瞑想している「場」の中で
何らかの無意識のエネルギーが交流(エネルギーフィールドというのか)
しているようにも感じられます
瞑想後、クライアントも自ら箱庭を作ることで
無意識のイメージを具現化してゆく…
瞑想と箱庭の掛け合わせることで
治癒の力がより強く働くのかもしれませんが
何とも謎が深まりますね
とは言え
セラピスト側の瞑想の力(エネルギー)がよほど深く練れていないと
他の人が同じことを行ったとしても
クライアントが回復に向かっていけないかも?と思います
この著者の本を探してさらに読んでみたいです